さて今晩もひと汗かいてきました。(お風呂のことです。)
どうもゆきちです。
30代の循環器内科医です。税理士を目指しながら公務員として勤務する妻(錦:きんちゃん)と10年後のFIREを目指し日々資産運用、節約に勤しんでいます。
日常診療と運動習慣
社会人の皆様運動されていますでしょうか。外来で診察していると、よくあるシーンがいくつかあります。
- 人間ドックで血糖値異常(糖尿病予備軍)、コレステロール異常、高血圧で検診に引っかかり受診する、あくまで「予備軍」で投薬には至らない。
- 人間ドックで引っかかり、糖尿病、脂質異常症、高血圧症と診断され投薬が開始される。
- 胸の痛みがおさまらず来院→検査の結果「心筋梗塞」とわかり、緊急で治療を行う
上記全ての人全員に薬が処方されるわけではないですが、「運動療法」「栄養療法」は全員に当てはまる治療となります。
そして①>②>③の順で、運動による心臓関連での入院・死亡を避けやすい(運動による治療効果が高い)ですが、実際に運動するように勧めて実際に行動する人の数は①<②<③の順です。
大病を患った(③の人)後で、伸び代の少ない余命を増やすために運動を習慣化する人は多いですが、
今残っている40−50年の余命10年以上伸ばそうと考えるメタボ予備軍(①のひと)は少ないです。
死がそこまで近づいてきてやっと行動に移せる。確かに人間の心理かもしれません。
入院した時はタバコも、酒もツマミもやめらえなかった人が、治療後に、禁煙、節酒、減塩してくれる姿を見ながら、ゆきちも毎日ラーメンをやめて、ジムに向かいます。
(昨日はマックでテイクアウトして、お家でたべてすぐ寝てしまいました。)
循環器的にいい運動
国立循環器研究センターのページから勉強させてもらい、下記におすゝめの運動習慣例をお知らせします。ゆきちもなるべくやるようにしています。
運動により先ほど出ていた、「糖尿病・脂質異常症・高血圧症」といったいわゆる「生活習慣病」はかなり予防できます。
疾患に罹患している方も運動によって改善、内服薬の減量を可能にします。
睡眠リズムを規則的にすることにつながり、筋量の増加は高齢になると生命力に直結します。
生活習慣病の予防に適する運動習慣として「最大酸素摂取量」を出し切る場合の40−60%の運動が適切とされています。ざっくりいうと「じんわり汗ばむ」「少しきつい」感じです。
実生活で実践しやすいように「最大酸素摂取量」を心拍数を目安にしていきます。
(糖尿病や、心筋梗塞後などの方は下記の目標心拍数が負担になる可能性があるため主治医の医師と相談のもと運動を行ってください。)
さて、あなたは何歳ですか?→ゆきちは30歳です
220-(あなたの年齢)→ゆきちなら190です。 これが最大心拍数といいます。
運動していない時の心拍数はいくつですか? →ゆきちは80回/分くらいです。
60%の強度の運動は?
→今までの数値を全部使っていきます。
安静時心拍数+(最大心拍数ー安静時心拍数)×60%
ゆきちの場合、80+(190ー80)×0.6=146(40%なら124)です。
30歳のゆきちの場合、「少しきつく」て「汗ばむ」運動量は124ー146回/分です。
(心臓病の内服薬の中にはわざと心拍数を下げる薬があります。そのため上記の心拍数まで達成できない場合があります。しつこくなりますが、心臓病・糖尿病がある人は主治医との相談の上運動量を決定してください。)
この心拍数を維持できるようにジョギング等をすることで生活習慣病の予防につながります。
通常、脂肪の燃焼に代謝が傾いていくためには20分以上の運動が必要になります。この代謝が進むと生活習慣病の予防につながっていくため1回の運動は30分以上が望ましいです。30−60分運動することで効果的な運動になります。これを続けていきましょう。
1日で何時間も走っても具合が悪くなってしまいます。1日の運動は30−60分にして日に分けて行うことが理想的です。
「1日で2時間のジョギング」よりも、「週3回、40分ずつ」の方がずっと生活習慣の予防効果が高いと言えるでしょう。
慣れてくれば、どんどん同じ運動量を低い心拍数でできてきます。
そうなれば、速度を上げていって心拍数を「少しきつい」ところでキープしましょう。
季節の変化によって運動が難しくなりますよね。換気、消毒が当たり前になった現在なら、屋内ジムなどの気温の変化が小さい環境での運動が良いのではないかとゆきちは考えています。
マスク着用しながら運動は息苦しくなります。スピードは気にせず「脈拍」に注意をしながら速度を調節していきましょう。
循環器診療でも検査に利用されている
余談になりますが、循環器診療の中でもこの心拍数を気にしながら行う検査があります。「運動負荷心電図検査」といいます。
心筋に栄養を与える「冠動脈」という血管が、生活習慣病や年齢・タバコの影響で、細くなってしまい必要な分だけ血液がやってこない状態になる
↓
心筋が苦しくなり胸痛の症状が出現します。
↓
このときに心電図ではST低下と言ってこの部分が低下します。血管が完全に閉塞してしまい心筋が死んでしまうと反対にSTは上昇します。
実際に心臓に負担をかけてこのSTの変化がないか確認するのが運動負荷心電図検査になります。負荷にはトレッドミル(ランニングマシン、電動自転車みたいなジムの用具)を使い。
BRUCEプロトコルという運動強度を使って「胸痛の程度」と「ST変化の程度」を見ながら評価していきます。
「十分検査できた」と評価するために使うのが最大心拍数です。
「220ー(年齢)」の80−100%の心拍数になるまで運動をできれば検査として十分評価できたという判断になります。(ゆきちだと152-190回/分)
日常の運動だけでなく病院の検査でも使用されている数値なんですね。
こんな感じで運動やっていきましょう。
お金だけでは幸せになれないですよね。一緒に笑えるパートナーや仲間、健康があってこその人生です。生活習慣病なんかに負けずに頑張っていきましょう。
今日は以上になります。お疲れちゃんでした。
Twitterやコメント欄からコメント頂けると元気でます。ぜひよろしくお願いします。